阿蘇のおばあちゃんちは阿蘇市一の宮町にあります。
この阿蘇市は阿蘇町、一の宮町、波野村が合併してできた新しい市です。
一の宮町というのは阿蘇神社にその名前のルーツがありますが、この一の宮町エリアは阿蘇で一番歴史の古い地域だと言われています。
阿蘇カルデラが今の地形になり、カルデラ湖の水が消失してから、古代の人々は一の宮町の北側に位置する古城・坂梨地区から阿蘇に入ってきたと言われています。
それから水の豊かな一の宮地域は農耕の進化とともに発展してきたそうで、その名残があちこちに有形無形の文化として残されています。
もしゆっくり阿蘇のおばあちゃんちに滞在できるなら、ガイドブックには載っていない、地域の文化や景観を巡る旅をしてみるのもよいかも知れません。
このページではその一部をご紹介いたします。
詳しくお知りになりたい方は、ASO田園空間博物館やジオパークガイドをご活用頂けると知的好奇心が満たされるでしょう。
阿蘇五岳
一の宮町から一番近い外輪山の展望所「城山展望所」へ登ると、阿蘇五岳が一望できます。
阿蘇山という山は実際にはなく、高岳、中岳、杵島岳、往生岳、根子岳という5つの山を総称して阿蘇山と呼んでいます。
阿蘇のおばあちゃん家がある一の宮地区は高岳への登山ルートである仙酔峡がすぐ近くにあり、昔はロープウェイで一気に登ることができました。
今はロープウェイは撤去されましたが、仙酔峡からの高岳への登山ルートは今も残っていて、夏の日差しを遮るものがないので、水分補給や火山ガスの風向きには注意が必要です。
阿蘇神社
阿蘇のおばあちゃん家から歩いて参拝できる阿蘇神社では農耕にまつわるお祭りがたくさん行われています。この写真は火振り神事という春の到来を告げるお祭りで、藁を束ねたものに火を点けてぐるぐる回すという珍しい風習で、観光客の方にも人気です。その他にも稲の苗を神輿に投げて豊作を願うおんだ祭りなど、他では見られないお祭りが季節毎に行われています。
阿蘇神社の門前町商店街
阿蘇神社の南側の参道には門前町と呼ばれる商店街があります。昔から続くお店や新しく出店したお店が連なっており、阿蘇神社を参拝したあとのランチやスイーツを楽しむにはぴったりの場所です。
阿蘇神社を参拝したあとには是非立ち寄ってみてください。
ガイドが必要なときには阿蘇神社前の一の宮インフォメーションセンターにご相談ください。
門前町の水基
門前町商店街をはじめ、阿蘇市一の宮地区には水基(みずき)と呼ばれる地下水が自噴している場所があちこちにあります。
阿蘇外輪山や阿蘇五岳の草原にふった雨が地下に浸透し、大地に濾過されて、標高の低い場所で自噴しています。
これは阿蘇市のどこにでもあるものではなく、外輪山の裾野では何カ所か水が湧いていて、それを水道として利用している地域もありますが、カルデラ内の集落で自噴している所は少なく、ここ一の宮地区は自噴している場所が多かったため、古代から人が農耕生活をおくり、発展してきたと言われています。
また、この門前町の水基は西側と東側で水の味が違うとも噂されています。門前町にお越しの際はぜひ水基巡りもお楽しみください。
仙酔峡
仙酔峡は、春にはミヤマキリシマが咲き乱れ、この風景に仙人さえも酔ってしまうという言い伝えから名付けられた場所です。
阿蘇高岳への登山口となっており、近くには仏舎利塔も建立されていて、見晴らしのいい場所です。夕方の日の入り頃に、ここから阿蘇カルデラを望めば、とても素晴らしい夕焼けが楽しめます。
中通古墳群
この田んぼの中に急に出てくる丘、実は古代の人々のお墓「古墳(こふん)」だといわれています。
一の宮地区でも南側の中通り地区にこの古墳群があります。
円墳と呼ばれる半球形のものが多く、一部では古墳の上に現代人のお墓がある場所もあります。
これらは阿蘇一族のお墓だと言われていて、全部で12基あり、中には写真のような前方後円墳も。
お天気のよい日に古墳巡りで、古代に思いを馳せるのも阿蘇ならではの過ごし方です。